家族葬を考える パートⅢ② お布施の定価表示(その2)

パートⅢでは雑多なテーマを取り上げております。家族葬についての基本的なことが知りたいという方は申し訳ありませんが、パートⅠからの記事を参照していただけると助かります。

前回に引き続き「お布施の定価表示」についてです。お布施の金額を明示するというのは、おぼうさんどっとこむが初めてではありません。正確なことはわかりませんが、おぼうさんどっとこむのように寺院、僧侶の紹介をしている会社は他にもあり、そういうところはたいていお布施の金額を明示しています。また、個々の葬儀社や宗教関係のNPOでもそういうことをしているところはあります。そんな中、大手量販店が葬儀業界に参入した際にネット上で公開したことで、マスコミなどでも大きく扱われるようになりました。
お布施の金額を明示する理由は、ご葬儀への問い合わせの中で「お布施をいくら渡せばよいかわからない」というものが多いからなのですが、そこには当然商売も見え隠れします。金額を明示するといっても、それが相場より高い金額であれば、わざわざ公表するメリットはありませんから、相場より安いと思われる金額を明示することで、本業であるご葬儀の施行の受注に結び付けようということです。
基本的なことですが、この問題は菩提寺がある家庭にはまったく関係ありません。関係ありませんが、その菩提寺からお布施として大金を求められたというような話が広まり、「お布施は高い」とか「お布施をいくら渡せばよいのかわからない」、それじゃあ金額を明示したほうが親切だという流れです。一般の消費者にとってもわかりやすさと安さはとても有難いことなので、歓迎されるはずです。しかし、直接の利害関係者としては大げさに言えば死活問題です。代々続くお寺を守っている住職にしてみれば、「お布施」がネットで見た金額よりも高いからといって文句を言われたらたまったものではないでしょう。以前から「お布施の金額を明示したら、仏教会関係者や地元の寺院としてはやりづらいだろうなあ」と思っていましたら、大手量販店のほうは現在はネット上での公開をやめているようです。
私は思うのですが、僧侶の派遣や紹介をしている会社は、「お布施」という表現をやめて、「読経料金」または「読経代金」とでもすれば少しは違うのではないでしょうか。問題の本質は名前ではないのですが、お檀家さんが菩提寺に渡すのも「お布施」、ご葬儀に派遣してもらった僧侶に渡すのも「お布施」と呼んでいるから話は余計にややこしいことになっている気がします。僧侶に渡すお金のことを「お布施」と呼ぶんだと言われてしまえばそれまでですが、うんちくを言えば、渡す人に「布施する」気持ちがあって初めてそのお金は「お布施」になります。おぼうさんどっとこむは会社なのですから、利用者はお客様です。派遣されてくるのは僧侶ですから宗教者には違いないのですが、大変失礼ながらこの場合は商売に一役買っているわけですから、サービス業のスタッフ的な面も否定はできません。そのお客様が僧侶に金銭を渡す場合、ご葬儀などに来ていただいて、お経を読んでくれたことに対する代金という意味合いが強いので、やはりそれは「読経代金」だと思うのです。ご葬儀の時の僧侶が気に入らなくて「四十九日の時には別の僧侶をお願いします」なんてこともあります。仏教的な発想では「これもご縁」なのですが、「読経代金」としてお金を払うのであればそこはドライな考え方をする人も当然います。人間対人間ですから気に入る、気に入らないはあると思いますが…

日本には僧侶が22万人もいるそうです。代々続く寺院を守っている住職もいれば、中にはお寺を持たずに、紹介してもらうご葬儀やご法事で生計を立てている人もいるようです。僧侶の中にもお布施の在り方に疑問を感じている人もいるようです。「お布施の定価表示」の問題が現在のお布施の在り方に一石を投じたのは間違いなさそうです。

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